体験修行の感想文・体験談
体験修行 宿坊・滝行 20代男性
二日間お世話になりました。ありがとうございました。今回私が天光寺さんでの修行体験に参加しようと思ったのは、滝に打たれてみたいという軽い気持ちからでした。就職の前に珍しい思い出を作れればいいと思っていました。実際に二日間を終えてみると、良い意味で期待を裏切られたと感じます。滝行だけでなく、声出しや読経お百度参りなど、様々な体験を通して、学ぶ事が多くありました。社会人になるにあたっての心持ちにも変化があったと感じます。
やはり、最も印象に残ったのは滝行です。もともと、滝行目当てで来たこともあり、非常に楽しみでした。しかし、実際に滝に到着して、水の冷たさを確認して、正直やりたくないという気持ちになりました。滝行はもっと楽で楽しいイメージを勝手に持っていましたが、本当は修行の一つとして行うような、辛く厳しいものであるとそこで気付きました。3分程度入っていられれば上出来という話を伺ったので、3分経ったらすぐ出ちゃえばいいやと言う心持ちで滝行に臨もうと思っていました。しかし、私の順番の一つ前の中学生の男の子が、非常に頑張って、10分という記録を出していました。この姿を見て、私の気持ちは大きく変わりました。自分よりも年下の男の子がとても頑張っている姿に勇気づけられ、年も上の自分が負けていられないと思いました。すぐでてしまえばいいやと言う甘い気持ちを持っていた自分がとても恥ずかしく思えました。気持ちを切り替えて、新記録を出してやろうという気持ちで滝行に臨みました。滝に入ると、今までに感じたことのないくらいの冷たさに襲われました。銭湯の水風呂とは比べ物になりませんでした。早くも心が折れそうになりましたが、先ほどの気持ちを思い出し、我慢しました。滝に打たれている間も諦めようと思ったことが何度かありましたが見ている人達の応援に元気付けられ、またこれで辞めてしまったら社会人になっても頑張らないと自分を奮い立たせて耐えました。10分を過ぎた頃からは、自分に打ち勝ったかのような気持ちになり、滝行が楽に感じるようになりました。
いくらでも続けられていけそうな余裕が生まれ、自信が出てきました。他人に励まされ、自分に打ち勝つことができ、自分にとって、自信を付けられるような貴重な体験になりました。また、今回の修行で、心に残った言葉があります。DVDを見た時に言っていた言葉で「舞台と役者を演じろ」です。この言葉は来月から社会人になる私にとってもとても為になる言葉でした。大きな企業に入れば人生も上手くいくだろうと思っていました。いわゆる舞台としては整っている状況で、普通に働けば充実した生活を送れると考えていました。しかしあの言葉を聞いたとき、自分の考えは甘かったと気付きました。舞台があっても、自分が舞台に見合う存在にならなければ意味がないのです。「大企業で活躍できる価値のある社員」を目指さなければいけないのです。企業を辞めたとしても、社会で活躍できる人材になれなければ多くの人が活躍できる舞台を演じるための力も付くと思います。この言葉を胸に刻み、新たな気持ちで社会人人生を過ごしていきたいと思います。他にも、ここには書ききれない学びが数多くありました。お寺で過ごすという、日常では体験できないような環境を通し、自分自身が成長できたと感じる点が多くあります。本当に素晴らしい経験が出来ました。最後になりますが、二日間という短い時間でしたが優しく指導していただき有難う御座いました。機会があればまたこれたらいいなと思います。