体験修行の感想文・体験談
体験修行 宿坊 体験修行 10代 女性
二泊三日の修行体験をしてみて、感じたこと、考えたことが主に二つある。
一つは、自分自身と己との付き合い方について、もう一つが仏教の道徳的指南のすごさだ。
まず、自分自身との付きあい方について。これは、自分を客観視して弱さを見つけた際にどうするか、ということだ。長年、私は度を過ぎた我慢をし、頑張り過ぎてしまう傾向にあった。例えば、自分が感じているストレスに気がつかないまま何かをやり続けてしまったり、様々な場面で本当の自分を出さずに場を取り繕ってしまったりだ。
最近になって自分を客観視したり、セルフコンパッションについて考えたりできるようになり、そこで、自分のストレスや負の感情とどう向き合うかが大きな課題になっていた。
今回、修行を通じて、まずは自分自身の弱さ、感情をしっかりと認識することと、気長に精神を続けようという心持ちが大切だと痛感した。自らの負の感情も自己の一部であるため、無視をしてはいけない。しかし、それによって悲観したり、それを一瞬で直そうとりきんでも本末転倒である。変化は長期的に訪れるものだ。
今回経験した行も想像以上に長く、辛いと思うことが幾度もあった。しかし、それはそういうもの、と捉え、あくまでも前向きに生きる心と向上心を持ち続けること、それが大切だと実感した。
しかし、どんなに前向きに生きようと思っても何が「良い」のか分からなければ元も子もない。向かう先が分からなければ進みようがないからだ。
私はここに来る前、自分の道徳的根幹をどこに見出すかで悩んできた。今回の修行で、仏教から私が学べることはたくさんあるようだ、と認識できた。
滞在期間中、仏教について様々な話を聞かせて頂いた。中でも心に残っているのが、六道と精神の話だ。どこまで何を信じるかはさておき、仏教は人と人の関り方を円満にし、互いを思いやる心を育てるのだ、ということを再確認した。
私は、自分の人生の中で、建設的な存在でありたいし、建設的な関係を他人と築きたいと思っている。仏教はその礎になり有るものだと学んだので、これから先もより深く、仏教の語る生き方について学びたい。
他にも、考えたこと、学んだことは色々ある。
瞑想では度々訪れる空の瞬間とそこに入り込む雑念を経験できたし、滝行でも普段は見えない自分の恐れや弱さを見ることができた。
何より、一般的に「質素」といわれる寺院での生活でも自身が満足していたことが自分でも印象に残っている。これが「知足」なのか、と少しだけ世界を理解できた気がした。
最後に、そんな小さいことに気がつくために寺院まで足を運ばなければならない自分の未熟さに反省の念を込め、今回の滞在と日々の生活に感謝をここに表したい。