天光寺ブログ
曼荼羅に表す宇宙観
紀元四百六十三年、北インドとネパールの国境周辺の小国に誕生した太子が、やがて苦行の末、菩提樹の木の下で瞑想し「宇宙観」、壮大な宇宙の映像が頭の中に浮かび「悟り」に目覚めました。
彼こそが世界の仏教尊「ブッタ」、お釈迦様です。ブッタは大日如来を中心として描かれている「曼荼羅図」によって大宇宙を表わし、極楽浄土を説きました。つまり宇宙は人類の原点であり、故郷であり、神が存在する浄土の世界なのです。私たちは誰もが皆、光り輝く存在として、この世に生をなします。そして光り輝く人生を送り、やがて「死」を迎え、光り輝く宇宙へと魂は帰っていきます。本来私達一人ひとりがそうなることが神の子としての道なのですが、残念ながら全ての人がその道を歩むちは限りません。
不幸な人生を送る人、病気で苦しんで死を迎える人、心の病気で自らの命を絶ってしまう人、突然の事故により余儀なく死を迎えてしまう人・・・様々の理由で本来の道を全うできずに死を迎えてしまう人が沢山存在します。何故このように死の迎え方に違いがあるのでしょうか。お釈迦様にとっても、「生」「病」「老」「死」の四苦から人間はどうしら逃げる事が出来るのか、という事が最大のテーマであり、彼を修行の道に駆り立てた一因でもあると言われています。誰しもが逃げられない「死苦行」であるなら、いかにすれば幸せに、満足できる人生を送りあの世に旅立つことが出来るのか、そしてその答えはあるのか、これを『満願人生門答』言います。
多くの聖人がこれをテーマに修行の道に旅立ち、悟り、説法してきました。仏教は長い年月を経て世界中に広がり、最初のブッタの教えから数多く枝は分かれし、現在のような形で定着しています。